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怠惰の美徳

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三十二歳になったというのにまだこんなことをしている二畳の部屋に寝起きして小説を書くなどと力んでいるがろくな文章も書けないくせに年若い新進作家の悪口ばかり云っている
──
雑巾にでもなって 生れてくればよかったのに人間に生れて来たばかりに三十二歳となったと言うのにおれはまだこんなことをしている

( Ⅰ 三十二歳より)

冬になってなんだか無気力になってしまう方もいらっしゃるではないでしょうか。できればたくさん寝たい、あわよくば冬眠をしたい、そういった方には共感できると思います。

この本は梅崎春生が「どうも私は怠け者です。」と言わんばかりに約300頁に渡って自身のことを書き連ねた短編集となっています。

輝かしく豪華という言葉には全く無縁の、地味で暗澹とした文ではあるものの、情報消費が早く良くも悪くも派手が目立つ社会で過ごす私たちにとってはどこか親近感を覚えるのではないでしょうか。

どうして働かずに生きる事がこんなにも非難れるのか、でもこんな事を声に出して言うのはなんか嫌だ、もはやそういうことを考えないものに生まれ変わりたい。

そのような気持ちを代弁するような一冊です。
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新刊書籍
「怠惰の美徳」
梅崎春生著 荻原魚雷編
(中央公論新社)

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